トーマス・マン『魔の山』の新ルート
-刊行100年記念論集-

世界文学を代表する作家トーマス・マンは1875年に北ドイツのリューベックで生まれた。2025年の今年はトーマス・マン生誕150年、昨2024年は『魔の山』が刊行されて100年の節目の年である。
新型ウィルスや各地の戦乱と『魔の山』はもはや単なるフィクションではなく、私たちの「現実」である。こうした認識にもとづき、ベテラン登山家一人と新進気鋭の登山ガイド四人がタッグを組んで、従来の研究について反省的に考察を深め『魔の山』の新たな登山ルートを求め100年の彼方を問う論集を企画した。
新ルートには難所もあるが、新たな展望を楽しんでみたい。

<目次>
はじめに
第1部 登山案内
トーマス・マン略年譜/トーマス・マンについて/『魔の山』成立史/『魔の山』の主要登場人物/『魔の山』の邦訳/日本におけるトーマス・マン受容/文献一覧
第2部 新ルート
『魔の山』ペーペルコルン・エピソードにおける「愛」と「終末論」/コラム・言葉の英雄/『魔の山』における有機体とフマニテートの関係/コラム・忘却と想起の物語/『魔の山』における耳を聾する音―雪山、滝、そして戦場/コラム・あれって老兵かい?/陶酔と夢の魔法―『魔の山』の認識論/コラム・結びにかえて
編者・執筆者紹介

 編者・執筆者  小黒康正 編  鈴木啓峻・小野二葉・坂本彩希絵・速水淑子 執筆
 ISBN  978-4-8102-0345-5
 判型  四六判 134頁
 定価  定価1,760円(本体1,600円+税)
 発行日  2025年9月


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